うぶすな(産土)とは、すべてを生(産)み出す母なる大地(土)のこと。
「うぶすな短歌会」の創始者である伊奈森太郎先生の「人生開発、郷土研究、和歌錬成」の精神を受け継ぎ、三十一音の韻律に日本の美しい自然を、日常生活の喜怒哀楽をのせて詠み上げていきたいと思います。
詠草のプロセスは頭の鍛錬にとても役立つと思います。
是非あなたも詠んでみませんか。楽しい仲間がお待ちしています。
講師は河合正秀先生(豊川市)。
昨年(29年度)の中日新聞〔中日歌壇〕年間賞の最優秀(3回目)を受賞されました。
〔祭礼の神事終えたる三歳馬 大きバケツの夕焼けを呑む〕
歌会は毎月第1水曜日、午後1時半〜 田原文化会館101会議室
毎年5月に開催される〔春の文協まつり〕に作品を出展しています。
ご高覧頂けたら幸いです。
◆令和8年 初夏
・さみどりの豌豆のすじとらされる昨日の嘘のばれたるばかり 河合正秀
・富士山の地下水流る柿田川梅花藻ゆらし夏は来にけり 安井弘子
・横揺れの目まいに襲わる如月は平安京の歌人となりぬ 花井けい
・えんどうの花咲き初むる菜園にはやも来たれり蝶の旅人 高橋邦子
・年重ね躓(つまず)き易き昨日今日凸凹なきが痛みを拾う 長坂房子
・世代の〈進一、はるみ〉が画面映る人世いろいろ鍬打つ吾か 則男
・父の二首星に届けの笹だより直子にあいたい文字の波うつ 太田直子
・鏡もちオセロ将棋に百人一首(かるたとり)十三人と子犬が二匹 奥千恵子
・エアコンと風呂沸く声にも返事する日々に慣れたり二年半経て 二村和子
・暑いのですぐにひとサジかき氷脳に矢じりのカキーンと刺さる 岩本邦彦
・見つけたる抜き菜の影にかたつむりここにも命エールを送ろ 伊東
・長々とコントレイユは空の糸一番星を縫い留めている 鈴木星紀
・アフリカの森の夜みたいな深奥の幼き顎に伏す永久歯 鈴木恵理子
◆令和7年 冬
・濁音のない草むらの虫の声庭のワイフの手が招いてる 河合正秀
・祭には無縁となりて遠き日のふるさと偲ぶ飾り馬行く 安井弘子
・空仰ぎ風に吹かれて夜の道無月を楽しむ人となりたり 花井けい
・雨後の月真竹の先に見えかくれ独り聞きおり集く虫の音 髙橋邦子
・信号待ちお先にどうぞと先ゆずる今日もお日様ニコリと笑う 長坂房子
・風邪(や)むきみの「気力は薬」
返信(めーる)くる笑顔も効くかおぉドーパミン 則男
・騒ぎをる蛙の声に近づけば「勝手なもんだ」言われてしまふ 太田直子
・そびえ立つエスコンフィールド見た五才空をめざしてかけ上ってく
奥千恵子
・高きよりちゅら海眺めばひと処汐煮る煙白く立ちつつ 二村和子
・同じこと母に何度も聴いたよと言った言の葉今言われてる 岩本邦彦
・背後からクピドみたいな眼差しであーし、んーしてティッシュを食う子
鈴木恵理子
◆令和7年 春
・ウォーキングすればするほど詩が生るる朝焼けの道夕焼けの道 河合正秀
・呆けゆく夫と合わせむゆく日々を宝鐸草(ほうちゃくそう)の鈴は揺るがず 安井弘子
・一度だけ振り向きて去る野良の「クロ」此所はお城下曲尺(カネンテ)の道 花井けい
・初春のまほろばの里伊良湖路へ龍年親子ジェラートを喰む 辻充代
・「生きるのが精一杯」とつぶやいた杖つく君のみやげは通草(あけび) 髙橋邦子
・吊革を持つ手は君を探したる南栄駅の灯火のなか 太田直子
・何十年ぶりででかけたボーリングボールは重くガタガタガタと 奥千恵子
・床の間の野にあるがごとひと枝を設(しつら)ふ点(た)てるけふは利休忌 則男
・彼岸過ぎ主なくともしだれ咲くかつて茶会の賑わいし夜 岩本邦彦
・紅顔の中学生は影を連れ80’sロックの要塞築く 鈴木恵理子



















